ハナ

午後5時。
電話が鳴る。
彼女からだ。

私:「なーにー?」
彼女:「今日は何の日でしょう~?」
私:「・・・知らん」
彼女「はい、世間では今日をハナ金と言いますぅ。」
私:「あーそうか。つーかそれだけか!」
彼女:「オマケに今日は給料日でした~。」
私:「なるほど。…で?」
彼女:「今日ご飯食べに行こうや~」
私:「いいよ。」
彼女:「どこ行く?」
私:「どこでもいい。」
彼女:「じゃあ、大阪まで出ておいでーな。」
私:「嫌や、あんたが甲子園まで来て。」
彼女:「はじめから言え!」
私:「何食べる?」
彼女と私、ほぼ同時に:「和食」

JR甲子園口駅前の隠れ家的和風創作料理屋さん。
私は徒歩で、彼女は電車でそれぞれ向かう。
店名は「桜」
味はまーまーだが、小さな入り口から地下に潜り込むと
薄暗い雰囲気のゆったりとした空間がそこに広がる。
個室もある。
金曜だったので、個室が空いてるかどうか心配だったが
幸い広い方の個室を二人で占領。

私と彼女がご飯を食べると、とにかくメニューを見て
片っ端から食べたいものを注文する。
散々注文しておきながら、必ず「とりあえずこれで」
を言っちゃう。
そして食べきれず残す。
ナカナカ癖が治らないというか学習能力がないというか。

とにかく食べることが好きって事なんです。

モグモグ食べながら彼女が言った。
「だからほっぺがぷっくりなってるって。」
私:「うるさいな…」
彼女:「子供みたいにぷくってなってるって」
私:「…」
彼女はいつも私のほっぺをネタにする。
私だって、もう少しシャープな輪郭欲しかったわよ!
以前恋人にも言われたことがある。
ほっぺ。

そんなこんなであっという間に3時間が過ぎて今日が終わろうとしている。

「じゃーね!気をつけて!」私は駅の改札で彼女を見送る。
終始変な顔をしながら人ごみの中へと消えていく彼女。

来週、また彼女と会うんだった。
そうだった。
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# by yousil_kiki | 2004-07-23 20:48 | パン・おやつ

アイドル

今日、美味しい桃を頂いた。
本当にほっぺが落ちるくらい甘く香ばしい桃だった。
かなりたくさんの量を頂いたので、果肉たっぷりの桃ゼリーを作った。

桃・ゼラチン・水・お砂糖・レモン。
ちょっと大人な味にしたかったのでワインを用意。
本来ならばロゼワインがあれば一番良かったのだが、
あいにく普通の料理用白ワインしかなかったのでこちらを代用。
これだけの材料で出来ちゃう上、電子レンジも登場するという、何とも簡単お菓子。

桃は熱湯に入れて湯むきし、氷水に丸ごと入れると
綺麗に皮がむけちゃいます。
あっという間に素っ裸です。いや~ん。

チャッチャッチャと手際よくすると
ほんの20分で出来ちゃうよ。

個人的にジュレはやわらかい方が好きなのでゼラチンは少なめに。

冷蔵庫で冷え冷えになったゼリーを一口味見。
う~ん!!オ・ト・ナ・ノ・ア・ジ
なんと言ってもこ素材の旨みが存分にでている。

いい素材を使えば味にも差が出るんだね、やっぱり。

桃ってとことんにくい果物だと思いませんか?

姿かたち、色、産毛、食感、味、香り
そして「モモ」という響き。

桃が苦手な人っているのでしょうか。
いるのかな、やっぱり。
私にとっては永遠のアイドルフルーツ。
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# by yousil_kiki | 2004-07-22 20:49 | 家ご飯

1月21日

あれから、半年という月日が経ちました。

半年という時間を過ごしてみて、
今、
自分がいる位置に立ち止まり
静かに振り返って見ます。

半年前の今日はとても寒くて、
半年前の今日、私はたくさんのヨットがある浜辺に立っていました。
ハイネックのセーターにコートを着て
お気に入りの小さな薔薇のピアスを付けていました。

息を吐くと、白いホワホワができて
それがゆっくりと、余響のように消えていきました。

凍えるくらい寒い夜は街灯も自動販売機も
温度を失った、ただの青白い物体でしかありませんでした。

耳と指とつま先が自分のものではないような
そんな錯覚に陥るくらいの冷たさ。
1月21日。

それぞれ、黙って、整然と、並んでいる
ヨットたち。
小さな波に身をまかせながらも
決して秩序は乱しません。

私は、
私たちは、
ベンチの上に座るのではなく
並んで立っていたように思います。

「会話」ではなく「誓い」

私のではない、白いホワホワが
素敵な言葉と共にこちらへ向けられます。
ホワホワはすぐに消えましたが
私には記憶する能力があります。

あれから、半年。

全ての事柄を、一つ残さず記憶できればいいのですが
きっと私が忘れてしまった素敵な事もたくさんあるのでしょう。

しかし
一番大切なことは忘れないように、
こぼさないように、
これからも生きて行きたいと思います。

人それぞれ大切な日があるように
私は人生において忘れられない半年前の今日を
私の表現で飾りたかったのです。

先週買ったヨハンシュトラウスをドライフラワーにしようと思います。
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# by yousil_kiki | 2004-07-21 20:49

海の日

海の日。
今日のデートは、私の要望で水族館に連れてってもらった。
場所は私が幼い頃からよく行っていた
須磨海浜水族園。

駐車場へと続く長蛇の列は、水族館に訪れる人と、
その真後ろにある海へ海水浴に来ている人の行列だった。
ビーチサンダルに浮き輪。
めっきり夏ですか。

私たちは、水槽の中をスイスイ泳ぐ魚たちをじっくり見た。
涼しげで神秘的。

私は大の水族館好き。

あ、魚食べるのも好きだけど、ちゃんと鑑賞もするよ。うん。

同じ方向に向かってひたすら泳いでいるいわしの群れ。
ぷかぷかと浮きながら、息継ぎの度に
顔を水面から出す海がめ。
泥の上を小さな手を巧みに使って前進する,
そして時々ひっくり返るムツゴロウ。
砂の中から頭だけを出してキョロキョロしているうつぼ。
私も一緒に消えてしまいそうなくらげ。
派手なヒラヒラがついたオコゼを見て
彼が「小林幸子」と言った。

いろんな魚たちを見た。

この人たちは、私たち人間とは違う。
私たちは水の中で息は出来ないし、目を開けて眠ることだって出来ない。
無条件に同じ方向に向かって、ただ口をパクパクさせながら
進むなんてことは絶対に、ない。

イルカショーを見た。
二匹のお利口さんたちは、餌をもらいながら
跳んで見せたり、鳴いたり、ポーズをとったり。
観客たちをとりこにする。
私たち二人も満足の拍手をイルカさんに贈る。
と、
ジャンプして跳ね返った水が、真正面の私と彼を直撃。
「水がかかった」ではなく「水をかぶった」二人。
前髪から滴り落ちる水。
向かい合って笑う。

おい、イルカ。
やってくれるわね。
びしょ濡れの人間たちをよそに「く~く~」と
可愛く鳴くイルカさん。

わかったよ…許すよ…

そして私たちは湿った服のまま、次のデートコースへ進むのであった。

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# by yousil_kiki | 2004-07-19 20:52

海の日②

水族館をでた私たちはいざ、ハーバーランドへと向かう。
まだ服は完全に乾ききってない。

私たちは今日、船に乗る。
コンチェルトという名の、遊覧船。
1時間半の海の旅。

ハーバーランド出港し、明石海峡大橋まで行って帰ってくるというコース。

大学2年生の夏、オモニの誕生日に家族3人で
コンチェルトに乗ってディナーを食べた。

もう、7年も前のこと、か。

船内は人がいっぱい。
クーラーのきいたソファーにはもちろんすわれず
直射日光ギラッギラのデッキで座る。

そのまま海に落ちてしまいたくなるくらい
暑かった。
明石海峡大橋まで来て、それをバックに写真を撮ると
暑さの限界で私たちは
1階のロビーで涼みながら窓越しの海を楽しんだ。

まぶたが重い。
波が「寝てもいいよ」って私に言ってる。
横にはちょうどいい高さの彼の肩。

夢を見た。

ごめん、寝ちゃった…。
なんで船に乗ってまで寝るんだよ、バカ。
って自分に対しての憤り。

まあ、でも
コンチェルトに乗りながら彼の肩にもたれて寝るのも
悪くない。

今日は暑かったね。
体力、いつもの5倍は消耗したね。
だからバイバイするのもいつもの5倍嫌だったよ。
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# by yousil_kiki | 2004-07-19 20:50