祝福

午後6時。
JR大阪駅は、会社帰りのサラリーマンやOL、
デートや飲み会の待ち合わせをしている人たちでごったがえしている。
駅構内はかなりの熱気で不快指数、300万。
人間たちの高まった感情の分だけ、気温も上がるのだろうか。

変えたばかりの真新しい携帯電話をあれこれいじくりながら
壁にもたれ、友人たちを待つ。
4年間、寝食を共にした、愛しい彼女たちを。

何気なしに辺りを見回してみると、ニヤけながら
不自然な動きでこちらに向かってくる人、約1名。
あのベビーフェイスは彼女に間違いないだろう。

この秋、結婚が決まっているスノギ。
彼女は再来月、福岡へと嫁ぐ。
幸せをこらえきれないという感じの、彼女の表情が
「愛する人と一緒になる」という事の、無条件の喜びの意味を
今また、新たに、その笑顔で教えてくれる。
スヒャン、ムンチョン、クンリョン、そしてナー。
今日は文学部お馴染みの関西組が
結婚間近のスノギを祝う飲み会の日。

予約しておいた個室に入るや否や、
スノギへの質問攻撃。
とりあえず、お酒とお料理をこれでもかってくらい注文しといて
また質問攻撃!!
乾杯の音頭は強引にスヒャンにやらせた。

質問攻撃が終わると、それぞれの近況や
大学時代の思い出話に濃く、激しい花が咲く。
涙が止まらない程、声が出ない程、
笑いすぎてぐったりするほど(この写真のように)
楽しすぎて悶えるほど。
この人たちを心から愛しいと思えるこの瞬間が
みんなそれぞれ大好きなんだ。

がんばり屋さんで、面倒見が良くて、ひかえめで、とっても純粋なスノギ。
つねりたくなるような、独特のベビーフェイスで
結婚するにおいての心構えや、アドバイスを
親身になって丁寧に詳しく話してくれる。
ゆっぴーの場合はこうした方がいいよ、
ゆっぴーは一人っ子だからこうしなきゃダメだよ、
と。

おっきな鶏の唐揚げを口いっぱいモグモグしながら
ふむふむと真剣に話を聞いている私を見て
さっきからスヒャンがニヤニヤ笑っている。

薬指の真っ赤なルビーをこちらに見せてと頼み、
私は祝福のシャッターを押す。
デジカメの小さな画面に映っているあなたは今日、
この世の誰よりも美しい。

今日、ウチに泊まりに来たスノギちゃん。
夜中まで起きていろんなこと話したね。
大学4年の頃、同じ部屋だったんだよね。

(今日、こうして一緒に寝るのは何年振りかな?
そして次、隣で一緒に寝れるのはいつなんだろう…)
幸せの実感、素敵な未来への希望を噛み締めるように
ムニャムニャムニャと眠りにつくスノギを見ながら
心の中で、そう思った。
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# by yousil_kiki | 2004-08-10 22:33 | パン・おやつ

8月9日

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昨日会い

24時間 たたぬうち

溢れる会いたさ まだ月曜日



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# by yousil_kiki | 2004-08-09 20:35

ファンタスティック

今日は私が待ちに待った日。
今日は琵琶湖の花火を観に行く日。
私は花火が大好き。
花火を見ている時だけは不思議と暑さに耐えられる。

JR京都駅での待ち合わせ。
今日、待ち合わせ場所が出町柳ではない理由。
それは、JR京都駅から彼の自宅近辺まで
私を乗せてバイクで走るというイベントがあるから。
私がそう希望したのだ。
私の分のヘルメットをちゃんと用意して
待ち合わせの場所に現れた彼。
かっくい~~
彼にへルメットをかぶせてもらいバイクにまたがる。
彼の背中にぴったりくっつく私は抱っこちゃん人形。

爽快に走る。
真正面から吹き付ける風は、私の頭には大きすぎるヘルメットを
容赦なく、ことごとく、ずらす。

午前中特有の、新しい、真っ直ぐな太陽。
山に囲まれた京都の熱い風。
その京都のど真ん中を突っ切るかっこいい彼。
その彼にくっついている、ずれたヘルメットをかぶった
情けない私。

みんなが見ているわけないけど、見られている気がして
ちょっと照れくさかったりする。
走っている途中、常に私に気を使ってくれる彼は本当にやさしい。
超幸せ気分

お昼におそばを食べ、買い物をしたりして
花火までの時間をゆったり過ごす。

夕方私たちは、車で滋賀県に向かう。
山道をぐるぐる登っていく。
今日の為に彼のアボニムは花火を絶好のロケーションで
観賞できるゴルフ場を予約しといてくださったのだ。
何とありがたいことだろう…。

近江牛や伊勢海老のお料理をいただきながらお喋りをしている間
外はすっかり群青色に包まれ、夜の仕度を始めている。
ビルや住宅の灯り、渋滞する車のランプまでもが
一枚の夜景となり、琵琶湖を静かに美しく彩っている。

打ち上げ開始の時間が迫った頃、
私たちはバルコニーで椅子を並べ
その瞬間を待つ。
山上から眺める夜景。
言われなければ、海だと錯覚してしまうくらい
広く大きな琵琶湖。
今夜、ここで1万発の花火が空へあがり
水面を光の楽園へと導くのだ。
夏だとは思えないくらい、ひんやりしている山の上。

彼に冷えた肌をさすってもらいながら
遠くの光たちをぼんやり眺める。

その時、打ち上げ花火が音を立てて大きな
花を咲かせた。
胸に響くあの音。
拍手と歓声。

最近の花火ってすごいね。
ポケモンとかハートとかお魚とか眼鏡とか
猫とか。
何でも花火にしちゃうんだね、すごい技術。

子供の頃、アボジに肩車してもらいながら
見上げた花火が今でも忘れられない。
手を伸ばすとそのかけらを掴める気がした。
海岸線で見た花火だった。

あの頃のような感動を今、再びおぼえる私。

あらゆる種類の花火たちは、それぞれ
真っ暗な空に精一杯自分の「美」を咲かせるため
出来るだけ、高く、高く、上っていく。
この姿を見よと言わんばかりの、叫びをあげながら。
思わず、喜びの声が漏れる。
思わず、拍手をあげたくなる。
なんと美しいのだろう。
今、私は花火を見上げるのではなく、山の上から
それらを見下ろしている。
彼にぴったりくっついて。

花火があがる度に、彼をも明るく照らす
美しい光。
リュミエール。

今日観た花火を、すべて、すべて記憶できたらどんなに素敵だろう。
胸の中でリアルに再現できたらどんなに
ファンタスティックだろう。
そう、今日この夜は、最もファンタスティックな夜。

来年も、この人と、この花火を見られますように。
そしてあの花火のように、
この人をいつも明るく照らせる私でありますように。
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# by yousil_kiki | 2004-08-08 20:35

第一歩

今日、私は1998年以来、6年振りに教壇に立った。
大学3年の時の教育実習以来、だ。
大学卒業後、教員という道を選ばなかった私が
今さら、日本人に、韓国語を、教える。
あらゆる経験をして、いろんな力を身につけた今だからこそ。
やってみようと、やってみたいと。

大学3年。
教育実習。
記念館講堂。
配置場所とその名簿が発表される。
自分の名前なんてまだまだ出ないだろうと、
隣に座った友達と冗談を言い合って盛り上がっていたら。
しょっぱな「東京朝高」のメンバーに
私の名前はあった。

ポカーンと口を空けている私を周囲の友達が茶化す。
その光景といいその場の雰囲気といい…
鮮明に記憶している。

遠く地方へ実習に行ける夢を抱いていた私としては何ともショッキングな出来事だったが
幸い、一緒に行ったメンバーも先生たちも
いい人ばかりで、楽しくて仕方ない3週間だった。

スーツを着て、オウチを出るとき
ふとそんなことを思い出した。
あの時は大学生で、私はまだ若かった。
生徒は高校2年生で、私が失敗してもみんな
笑って許してくれた、まるで友達みたいだった。

でも今日は違う。
韓国語を一切知らない人にあいさつを
教えるのって、至難の業。
30分のウチに、アーヤーオーヨーからアンニョンハセヨまで
一気に教えるって、それこそ神業だ。

私は今日、在日コリアンとしての完璧な私として
教壇に立つ。
自分が行こうとする目的地までちゃんと届くように、
自分の足で歩いていけるように。

今日が、その、第一歩。
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# by yousil_kiki | 2004-08-07 20:36

夏のこの時期

近所までお買い物に出かけた。

ん?
何だ?
んん~??
一体何?

あ、なるほどね。
そっかそっか。
そうだよね、そうだもんね。
うんうん。OKOK。

だって、もう8月だもんね。
どーりで坊主頭が多いと思ったよ。
あちこちに明らかに関西人ではない、
地方の言葉とはしゃぎ具合で納得がいった。

高校野球ね。
甲子園ね。
もうそんな時期なんだね。

私は生まれた時から「甲子園」という土地に住んでいる。
コジンマリとした、いい場所だ。
美味しいお店もあるし、環境もいい。
交通も便利で最近では大規模のショッピングモールも建設中で
この秋、オープン予定だとか。
映画館も入っているなんていーじゃなーい。

大学の頃、住所を聞かれてよく驚かれたものだ。
「え?!甲子園ってあの甲子園?」
「そうだよ」と答えると
「甲子園って場所の名前だったの~~?!」
って当たり前でしょ。
甲子園にあるから阪神甲子園球場なんだよ。

昔から、夏のこの時期になると
日焼けした坊主頭の球児たちが増える。
コンビニや、お風呂屋さん、その辺の道にも。
そして長~い観光バスが一気に増える。
球児のみならず大きな楽器を抱えた応援団や
制服を着た女の子たちも、応援のせいか真っ黒に日焼けしている。
青春してるね。

昔タッチはやったよね。
すごく好きだった。
たっちゃん。

今年はオリンピックの年だから、高校野球も
そんなに注目されないだろうけど
球児たち、がんばれー。
さっき通りすがりの子は、選手なのかな?
それとも応援団の方かな。
とにかく、頑張ってね。
そして帰る時は、汗と涙の沁み込んだ、
この甲子園の砂をちゃんと持って帰るのよ。

大人になると
一つのことに夢中になって、
全ての時間をただただ一つのことの為に費やした
「思い出」が、「青春時代」が
本当に素晴らしかったな、と懐かしむ時がくるから。
いつかきっとそう思える時がくるから。
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# by yousil_kiki | 2004-08-06 20:37 | 日々のこと